
Veo 3は、動画生成に「音」をもたらしたGoogle DeepMindのモデルです。2025年5月20日のGoogle I/Oで発表され、セリフ、効果音、環境音を映像と一緒に生成しました。2025年10月15日に公開されたVeo 3.1は、その能力を引き継いだうえで改良しています。Googleによれば、Veo 3.1は「より豊かな音声、物語をより細かく制御できる力、高まったリアリティ」と「プロンプトへのより強い忠実さ」をもたらし、画像から動画を作る際の映像と音声の品質も向上しています。
乗り換える価値はあるのでしょうか。ほとんどの人にとって、この問いの答えはすでに出ています。GoogleはGemini APIでVeo 3を非推奨とし、代わりにVeo 3.1を、Veo 3.1、Veo 3.1 Fast、Veo 3.1 Liteの3つのティアで提供しています。今でも知っておく価値があるのは、実際に何が変わったのかです。それがわかれば、プロンプトを移したときに何が起きるかを予想できます。
要点
- 音声: どちらも映像と一緒に音声を生成します。GoogleはVeo 3.1の音声を「より豊か」と説明しています。
- プロンプトへの追従: Veo 3.1は、動きの順番からカメラワークまで、書いた内容により忠実に従います。
- 画像から動画: 写真から始めたときの映像と音声の品質向上を、Googleは特に強調しています。
- 新しい制御機能: 最初と最後のフレーム指定と、最大3枚の参照画像はVeo 3.1で加わりました。
- 解像度: Veo 3.1には2026年1月に4Kの選択肢が追加されました。Veo 3の上限は1080pです。
- プロンプト: Veo 3.1は同じ構成のプロンプトを読み取るので、Veo 3のプロンプトをそのまま貼り付けられます。ただし以前とまったく同じ動画ではなく、新しいテイクになると考えてください。
Veo 3 vs Veo 3.1 早見表
| Veo 3 | Veo 3.1 | |
|---|---|---|
| 発表 | 2025年5月20日(Google I/O) | 2025年10月15日 |
| GoogleのAPIでの状況 | 非推奨 | 現行。3つのティア(Veo 3.1、Fast、Lite) |
| 映像と一緒に音声を生成 | 対応 | 対応(より豊か) |
| プロンプトへの追従 | 対応 | Veo 3より忠実 |
| 写真から動画 | 対応 | 対応(映像と音声が向上) |
| 最初と最後のフレーム指定 | なし | 対応 |
| 参照画像 | なし | 最大3枚 |
| GoogleのAPIでの動画の長さ | 8秒 | 4秒・6秒・8秒(1080pと4Kは8秒) |
| 解像度 | 720p、1080p | 720p、1080p、4K(アップスケール) |
| アスペクト比 | 16:9。2025年9月に9:16が追加 | 16:9、9:16 |
| Google自身のツールでの延長 | なし | 対応(APIでは1回7秒追加、Flowでは1分以上) |
音声:Veo 3がもたらした機能
Veo 3以前のVeoの動画には音がなく、声や音は編集で後から加える必要がありました。Veo 3がそれを変えました。キャラクターがプロンプトに書かれたセリフを話し、効果音や背景音も映像と一緒に生成されるようになったのです。
Veo 3.1ではすべてのティアでネイティブ音声が維持され、Googleの言葉を借りれば「より豊かな音声」になっています。音の指定方法は変わっていません。
- セリフは引用符で囲み、誰が話すのかを書く
- 欲しい効果音を名指しする(「ドアがバタンと閉まる」「窓を打つ雨」など)
- 環境音を描写する(「カフェのざわめき」「遠くの車の音」など)
音について何も書かなくても、モデルは場面に合ったサウンドトラックを作ります。詳しい書き方はVeo 3.1プロンプトガイドをご覧ください。
プロンプトへのより忠実な追従
GoogleがVeo 3.1で最も強調しているのは「プロンプトへのより強い忠実さ」です。実際に効いてくるのは、いくつかの出来事を順番に描くプロンプトです。ある動作とそれへの反応、特定のカメラワーク、名指しした映像スタイルなどがこれにあたります。ショットを正確に書くほど、その内容が多く反映されて返ってくるので、プロンプトを丁寧に書く価値があります。
以前のVeo 3のプロンプトがうまく移行できるのも、このためです。Veo 3.1は同じ形のプロンプトを読み取るので、まずはそのまま貼り付け、Veo 3では無視されがちだった部分を書き込んで精度を上げていけます。
改善された画像から動画
GoogleはVeo 3.1の公開時に、「画像を動画に変える際の映像・音声品質の向上」を特に挙げています。写真から始めると、その写真が最初のフレームになり、プロンプトでは動き、カメラ、音だけを説明すれば済みます。商品ショットやポートレートなど、元の静止画を崩したくない場面ではこのモードを使いましょう。
Veo 3.1の新しい制御機能
最初と最後のフレーム
Veo 3.1に開始画像と終了画像を渡すと、その間の動きを音声付きで組み立てます。ショットを決まった構図で終わらせたいときに使いましょう。何かが姿を現す瞬間、商品がカメラのほうへ向き直る動き、ある場面から次の場面への転換などです。Veo 3には相当する機能がありませんでした。
参照画像
人物、キャラクター、商品を写した画像を最大3枚渡すと、モデルはその見た目を把握し、新しい場面に配置します。GoogleはこれをIngredients to Videoと呼び、2026年1月にはネイティブの縦型9:16動画にも対応を広げました。複数の動画にまたがってキャラクターや商品の見た目をそろえる、最も直接的な方法です。
延長
Google自身のツールでは、Veo 3.1の動画を延長できます。Gemini APIでは720pで1回につき7秒、最大20回まで追加でき、FlowのExtend機能では1分以上の連続した動画を作れます。
解像度:2026年1月に4Kが登場
Veo 3の生成解像度は720pまたは1080pです。GoogleがVeo 3に1080pと縦型の9:16を追加したのは2025年9月でした。2026年1月13日、GoogleはVeo 3.1に4Kの選択肢を加え、これを「最先端のアップスケーリング」と説明しています。4Kは、生成されるディテールが増えるものではなく、大画面向けのより鮮明なマスターとして捉えてください。
Veo 3.1に移行する価値はあるか?
ほとんどの場合、選択はすでに決まっています。GoogleのAPIでVeo 3は非推奨になっているので、新しい制作はVeo 3.1で行うことになります。考えるべきは、どうすればスムーズに移行できるかです。
- プロンプトを再利用する。 構成(場面、カメラ、引用符で囲んだセリフ、音)は同じなので、Veo 3のプロンプトを出発点として貼り付けましょう。
- Veo 3が無視していた部分を詰める。 Veo 3.1はプロンプトにより忠実に従うので、動きの正確な順番や特定のカメラワークなど、以前はあきらめていた細部をもう一度書き込む価値があります。
- 新しい制御機能を試す。 ショットを特定のフレームで終わらせたいなら終了フレームを追加し、キャラクターの見た目を動画間でそろえたいなら参照画像を使います。
- 用途でティアを選ぶ。 下書きはVeo 3.1 Lite、日常的な動画や参照画像を使う場合はVeo 3.1 Fast、公開するテイクはフルのVeo 3.1で作ります。
Veo VideoでVeo 3.1を使う
Veo Videoで作るVeo動画はすべてVeo 3.1で動いており、Veo 3のページの生成ツールも同様です。このサイトには、別枠のVeo 3.0モデルはありません。生成される動画はすべて8秒・音声付きで、16:9または9:16、720p・1080p・4Kから選べます。テキストまたは写真から始められ、どのティアでも終了フレームを追加できます。参照画像はVeo 3.1 Fastで使え、1本あたり最大3枚です。
新規アカウントには無料の30クレジットが付与され、720pのVeo 3.1 Lite動画を1本作れます。以前のVeo 3のプロンプトがVeo 3.1でどう仕上がるかを、手早く確かめるのにちょうどよい量です。うまくいったら、残したいテイクをVeo 3.1で1080pまたは4Kで生成しましょう。
