
よいVeo 3.1のプロンプトは、短いショットの説明文のように読めます。画面に誰がいて、何をしていて、どこにいるのか。カメラはどう動き、どんな見た目で、何が聞こえるべきか。Googleによれば、Veo 3.1はVeo 3よりもプロンプトに忠実に従います。ショットを正確に描写するほど、その内容が多く反映されて返ってきます。
このガイドでは、8秒の動画1本分のプロンプトの組み立て方、使う価値のあるカメラ用語とスタイル用語、セリフと音の書き方、開始・終了フレームを使うとプロンプトに書くべきことがどう変わるか、そして貼り付けてアレンジできるプロンプト10本を紹介します。
書き始める前に:Veo 3.1の動画1本に収まるもの
Veo Videoでは、Veo 3.1での生成はすべて8秒・音声付きの動画で、16:9または9:16、720p・1080p・4Kから選べます。テキストから、写真から(写真が最初のフレームになります)、または写真と終了フレームから始められます。参照画像はVeo 3.1 Fastで使え、1本あたり最大3枚です。
8秒は、はっきりした動きが1つあるワンショット、または短い展開が2〜3つ程度の長さです。セリフなら1〜2行が収まりますが、段落ほどの長さは入りません。うまくいかないプロンプトの多くは、1本の動画に場面全体を詰め込もうとしています。たいていの場合、欲しい一瞬だけにプロンプトを絞り込めば解決します。
Veo 3.1プロンプトの構成
GoogleのVeo向けプロンプトガイドでは、動画を形づくる要素として、被写体、動き、スタイル、カメラの位置と動き、構図、フォーカスとレンズ効果、雰囲気が挙げられています。Veo 3.1は音声も生成するので、音もプロンプトに含めるべき要素です。実用的な順番は次のとおりです。
| 要素 | 決まること | 例 |
|---|---|---|
| ショットとカメラ | フレーミングと動き | "Close-up, slow dolly in" |
| 被写体 | 画面に映る人や物 | "A woman in her 30s in a soft grey sweater" |
| 動き | 8秒の間に起きること | "takes her first sip of coffee and smiles" |
| 場面 | 場所、時間帯、天気 | "on a small balcony above a quiet street at dawn" |
| スタイルと光 | 見た目と雰囲気 | "warm morning light, shallow depth of field" |
| 音 | セリフ、効果音、環境音 | "birds chirping softly, a distant city hum" |
これらを組み合わせると、次のようになります(夜明けの小さなバルコニーで、30代の女性がコーヒーを一口飲む場面)。
Close-up, slow dolly in on a woman in her 30s in a soft grey sweater, taking her first sip of coffee on a small balcony above a quiet street at dawn. Morning light grazes her face. Birds chirp softly, a distant city hum. Warm color grade, shallow depth of field, TV commercial style.
すべての要素を毎回入れる必要はありません。書かなかった部分はモデルが補います。こだわらない細部ならそれで問題ありませんが、こだわりたい細部なら困ることになります。
カメラ:ショットの種類と動き
カメラの言葉は、Veoのプロンプトで最も確実に効くレバーの1つです。フレーミングを指定し、そのうえで動きを1つだけ指定しましょう。8秒にはそれ以上の余裕はほとんどないので、複数の動きを重ねる(「左にパンしながらクレーンで上昇しつつズームイン」など)のではなく、1つに絞ります。
| ショット | 向いている用途 | 使う言葉 |
|---|---|---|
| ワイド/エスタブリッシング | 場所、スケール感、状況説明 | "wide shot", "establishing shot" |
| ミディアム | 会話する人物、全体的な動き | "medium shot", "waist-up" |
| クローズアップ | 顔、感情、商品のディテール | "close-up" |
| エクストリーム・クローズアップ | 質感、小さな物 | "extreme close-up", "macro shot" |
| POV | 一人称視点の没入感 | "POV shot", "first-person view" |
1本の動画の中でうまく機能する動きは次のとおりです。
- ドリーイン/ドリーアウト(dolly in / dolly out): カメラが被写体に近づく、または離れる動き。緊張感を高めたり、周囲の状況を見せたりするのに向いています。
- パン(pan): カメラが水平方向に向きを変える動き。場面を見渡したり、横方向の動きを追ったりするのに向いています。
- トラッキングショット(tracking shot): カメラが被写体と並んで移動します。
- クレーンショット(crane shot): カメラが上昇または下降します。何かを見せる演出に向いています。
- オービット(orbit): カメラが被写体の周りを回ります。
- 固定(static): カメラを固定したまま撮ります。会話や商品ショットに便利です。
レンズやフォーカスの言葉も役立ちます。"shallow depth of field"(浅い被写界深度)、"rack focus from the cup to her face"(カップから彼女の顔へピント送り)、"wide-angle lens"(広角レンズ)、"macro lens"(マクロレンズ)、粒子感と温かみを出したいなら"shot on 35mm film"(35mmフィルムで撮影)などです。
セリフと音
Veo 3.1はすべての動画で音声を生成します。音について何も書かなくても場面に合ったサウンドトラックを作りますが、描写すればより細かく制御できます。Googleのガイドでは、セリフは引用符で囲み、効果音ははっきり描写し、環境音は別に描写するよう勧めています。
セリフ
話す言葉を引用符で囲み、誰がどのように話すのかを書きます(薄暗いオフィスで、疲れた刑事が顔を上げて一言つぶやく場面)。
Medium shot of a tired detective behind a desk in a dim office, rain on the window behind him. He looks up and says in a weary voice, "Of all the offices in this town, you had to walk into mine." Film noir look, hard shadows from window blinds.
- 1本の動画につき、短い文1〜2つに収めましょう。それより長いと8秒には無理なく収まりません。
- 話し手が2人なら、それぞれに名前をつけて1行ずつセリフを与えます。たとえばHost A: "Welcome back!" Host B: "Glad to be here."のように書きます。
- 声の質("weary"=疲れた、"excited whisper"=興奮したささやき、"calm and slow"=落ち着いてゆっくり など)を書いておくと、話し方が映像に合います。
効果音と環境音
それぞれの音を画面に見えるものと結びつけ、効果音は聞こえてほしいとおりに書きます(ネオンの下、冷たい霧雨が降る路地の場面)。
Wide shot of a narrow alley under buzzing neon signs as cold drizzle falls. A distant alarm wails, neon hums, rain patters on metal bins.
このバナナの皮のプロンプトは、一連の流れの扱い方も示しています。動きを順番に並べ、"suddenly"(突然)や"in the next moment"(次の瞬間)といった言葉で展開の切り替わりを示しているのです。これにより、モデルは8秒の中でたどるべきタイムラインを得られます。
スタイル、色、光
スタイルの言葉は、漠然とした質感よりも、目に見えるものを表すほうがよく効きます。
| 見た目 | 役立つ言葉 |
|---|---|
| 映画風 | "shot on 35mm film", "anamorphic lens", "film grain" |
| ドキュメンタリー | "handheld camera", "natural light", "documentary style" |
| ホラー | "desaturated colors", "heavy grain", "low angle", "flickering light" |
| SF | "neon-lit", "holographic display", "cool blue light" |
| CM | "TV commercial style", "clean studio lighting" |
| アニメーション | "hand-drawn anime style", "cel-shaded", "vibrant colors" |
光と色については、光の方向と時間帯を指定しましょう。"dramatic side lighting"(劇的なサイドライト)、"backlit silhouette"(逆光のシルエット)、"golden hour"(ゴールデンアワー)、"blue hour"(ブルーアワー)、"overcast diffused light"(曇天の拡散光)、"warm golden tones"(温かい金色のトーン)、"cyan-magenta grade"(シアンとマゼンタのグレーディング)などです。
避けたいものを並べるのではなく、欲しいものを描写しましょう。"A clean, unlabeled glass bottle on a plain black surface"(無地の黒い面に置かれた、ラベルのないきれいなガラス瓶)と書くほうが、避けたいものを列挙するよりもうまくいきます。
画像から始める
画像から動画
写真をアップロードすると、それが最初のフレームになります。被写体の見た目をプロンプトで説明する必要はもうないので、その分を動き、カメラ、音に使いましょう。たとえば"She turns toward the window and smiles, slow dolly in, soft room tone and a distant car passing."(彼女が窓のほうを向いて微笑む。ゆっくりドリーイン。静かな室内の空気感と、遠くを通り過ぎる車の音)のように書きます。
開始フレームと終了フレーム
終了フレームを追加すると、Veo 3.1は2枚の画像の間の動きを組み立てます。ショットを決まった構図で終わらせたいときに使いましょう。何かが姿を現す瞬間、商品がカメラのほうへ向き直る動き、変身などです。始点と終点はすでに決まっているので、プロンプトは変化がどう起きるか("the paper ball unfolds and folds itself into a paper airplane"=丸めた紙が開き、自ら折りたたまれて紙飛行機になる)に集中させます。
参照画像(Veo 3.1 Fast)
参照画像は最初のフレームとは別物です。人物、キャラクター、商品がどんな見た目かをモデルに伝え、モデルがそれを新しい場面に配置します。Veo Videoでは、Veo 3.1 Fastで最大3枚まで追加できます。その場合、プロンプトでは場面と動きを描写し、誰・何であるかは画像に任せます。
貼り付けてアレンジできるVeo 3.1プロンプト10本
どのプロンプトも8秒の動画1本分として書かれています。推奨アスペクト比はあくまで出発点で、すべて16:9でも9:16でも生成できます。プロンプト本文は英語のままにしています。英語で書くと結果が最も安定するためです。
1. 商品のお披露目(16:9)
山の崖の縁の岩に置かれたスマートウォッチから、ドローンのように引きながら上昇し、日の出の谷を見せるショットです。
Close shot of a sleek black smartwatch resting on a rugged rock at a mountain cliff edge. The camera pulls back and rises in one smooth drone move, revealing a vast alpine valley at sunrise. Wind rushes softly, a low cinematic swell. Product commercial style, crisp natural light.
2. 壇上のスピーカー(16:9)
会議ホールの演壇で、スピーカーが固定カメラの前で一言語りかけるショットです。
Medium shot of a confident speaker at a podium in a modern conference hall, static camera. She gestures naturally and says, "The future of AI is not replacement. It is collaboration." Soft stage lighting, light audience murmur, polished corporate look.
3. ネイチャードキュメンタリー(16:9)
夕暮れの松林で、新雪の上を小走りする一匹狼を追うトラッキングショットです。
Wide tracking shot following a lone wolf trotting through fresh snow in a dense pine forest at dusk. Snow crunches under its paws, wind whispers through the trees. Documentary style, natural light, 35mm film grain.
4. ホラーの廊下(9:16)
蛍光灯がちらつく無人の病院の廊下を、奥から人影がゆっくり近づいてくるショットです。
Low-angle wide shot down a long, empty hospital hallway with flickering fluorescent lights. A lone figure at the far end walks slowly toward the camera, footsteps echoing. A light buzzes and cuts out. Desaturated colors, heavy grain.
5. 海沿いを走るPOV(9:16)
バイクのヘルメット視点で、崖と海を見下ろすカーブに体を傾けていくショットです。
POV shot from a motorcycle helmet on a winding coastal road, leaning into a curve with cliffs and a sparkling ocean below. Engine roar, wind rushing past. Golden hour light with sun flares, high-energy action sports style.
6. 料理中のシェフ(16:9)
大理石のカウンターでハーブを盛りつける手元から、シェフの真剣な顔へカメラを上げていくショットです。
Close-up of a chef's hands arranging fresh herbs on a marble counter, then the camera tilts up to her focused face. Knife taps, a pan sizzling in the background. Soft overhead window light, warm lifestyle look.
7. ファッションのウォーキング(9:16)
白いギャラリーをシルクのドレスで歩くモデルに、ゆっくり寄っていくショットです。
Slow dolly in on a model walking through an empty white art gallery in a flowing silk dress; each step sends ripples through the fabric. Heels click on polished concrete, quiet gallery echo. Soft diffused light, high-fashion editorial style.
8. 静かで感情のこもった瞬間(16:9)
秋の公園のベンチで鳩に餌をやる年配の男性が、ふと顔を上げて微笑むショットです。
Medium shot of an elderly man on a park bench feeding pigeons in warm afternoon light under autumn trees. He pauses, looks up and smiles as leaves drift past. Pigeons coo, leaves rustle, distant children's laughter. Nostalgic tone, shallow depth of field.
9. SFのインターフェース(16:9)
透明なホログラムのディスプレイを手で操作し、光るデータの地球儀を回すショットです。
Close-up of hands swiping and pinching a transparent holographic display, rotating a glowing 3D globe of data. Blue-white light from the interface illuminates the face behind it. Soft electronic chimes with each gesture. Clean, futuristic look.
10. 高級商品(9:16)
一灯のスポットライトの下、黒い反射面の上で香水瓶がゆっくり回転するショットです。
Extreme close-up of a luxury perfume bottle on a reflective black surface under a single dramatic spotlight. The bottle slowly rotates, catching golden highlights on its facets. A soft, resonant chime. Premium commercial style.
下書きから完成までの流れ
- 短く始める。 ショット、被写体、動きを1〜2文で書き、Veo 3.1 Liteの720pで生成します。モデルがアイデアを理解したかを確かめる、最も安上がりな方法です。
- カメラと見た目を加える。 動きが狙いどおりになったら、カメラワークを1つ、光、スタイルを加えます。
- 音を加える。 セリフを引用符で囲んで書き、効果音と環境音を名指しします。
- 本番を生成する。 プロンプトが固まったら、1080pまたは4Kで生成します。Liteのままでも、最も精細なテイクが欲しければフルのVeo 3.1でもかまいません。生成するたびに新しいテイクになるため、下書きとまったく同じ動画ではなく、よく似た仕上がりになると考えてください。
途中で役立つコツ:
- 生成ごとに変えるのは1か所だけにしましょう(カメラか光のどちらかで、両方は変えない)。何が違いを生んだのかがわかります。
- うまくいったプロンプトは何度か生成してみましょう。生成のたびに別のテイクになり、たいていはその中に頭一つ抜けた1本があります。
- 結果を最も安定させたいなら、プロンプトは英語で書きましょう。
- 8秒より長い連続映像は、ショットごとに別のプロンプトとして書き、キャラクター、色調、スタイルの言葉をすべてのプロンプトで使い回します。
よくある失敗
| 失敗 | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| 1つのプロンプトに複数のカメラワーク | 短い動画の中で指示がぶつかる | フレーミング1つ、動き1つ |
| 1本の動画に場面全体 | 動きが駆け足になるか、省かれる | 一瞬、または2〜3の展開に絞る |
| 長いセリフ | セリフが途切れるか、早口になる | 短い文1〜2つ |
| 被写体があいまい | 細部がランダムに補われる | 年齢、服装、主な特徴を書く |
| 音の指示がない | ありきたりなサウンドトラック | 効果音と環境音を名指しし、セリフは引用符で囲む |
| 関連する動画でスタイルの言葉がばらばら | つないだときに馴染まない | 同じ色調とスタイルの言い回しを使い回す |
| 実在の著名人や子どもの写真 | リクエストがブロックされる | 架空のキャラクターと大人を使う |
Googleの安全フィルターによって生成がブロックされた場合、クレジットは残高に戻ります。
試してみる
Veo Videoの新規アカウントには無料の30クレジットが付与され、720pのVeo 3.1 Lite動画(8秒)を1本作れます。上のプロンプトから1つ選び、自分の題材に合わせて調整して、モデルがどう読み取るかを確かめてみてください。
モデルそのものについて詳しく知りたい方は、Veo 3 vs Veo 3.1:何が変わったのかをご覧ください。
